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【相続や相続税】相続発生前の対策について

税理士の金親です。

 今回からは、相続や相続税についての中で、相続発生前の対策についてお話ししたいと思います。
相続発生前の対策というと、まず「なるべく相続税を安くしたい!」と思われる方が多いかと思いますが、弊社では相続発生前の対策については、次の順序で考えるべきと思っています。
 
 第一に「相続対策」(分割対策)であり、
 第二に「納税資金対策」を考え、
 第三に「節税対策」についてとなります。
 これらは、いずれも相続発生前でないと対応できないことも多いです。
 
 まず、手を付けるべきは「相続対策」(分割対策)についてです。
つまり、お持ちの財産をどのように分けるかということを検討することです。

うちは、財産が少ないから問題ないとお思いでしょうか?

令和元年の司法統計の「家庭裁判所に持ち込まれた遺産分割事件のうち認容・調停成立件数」の遺産の価額別を見ると、総件数7,224件のうち遺産1000万円以下が2,448件と33%を占めていますし、遺産5000万円以下の3,097件と合わせると76%となります。
よって、財産が少ないから問題ないという認識は改められたほうが良いと思います。
つまり、裁判所で取り扱われる遺産分割事件の76%が遺産5000万円以下なのです。

この数字を見ても、財産が少ないから分割について放置してよいという考えにはならないと思います。
生前にきちんと財産の試算をし、どのように自身の財産を承継してもらいたいか、ということを考えることは非常に重要です。